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相続した大阪市の老朽化実家|不動産売却の手順と失敗しないコツ

相続した大阪市の老朽化実家|不動産売却の手順と失敗しないコツ

「こんなボロボロの家、売れますか」。相続した実家の話になると、この一言から始まることがよくあります。結論からお伝えすると、リフォームも解体もしないまま売れる可能性は十分にあります。老朽化が進んだ住宅では、建物そのものより土地の条件を重視して価格が決まるケースも多く、手を入れても価格に返ってこない場合があるためです。実際、築数十年の家が「古家付き土地」として、建物を残したまま引き渡されるケースもあります。一方で、誰も住まない家を持ち続ければ、税金と管理の手間だけが毎年積み上がっていきます。株式会社町屋くらぶは、行政書士が代表を務める大阪市生野区の不動産会社として、古い家や相続の絡んだ売却に向き合ってきました。この記事では、難しい話をできるだけ省いて、何から手をつければいいのかを順番に説明します。

目次

  1. 「こんな家、売れますか」と聞かれたときに答えていること
    1. 買主が見ているのは、建物の古さより土地の条件
    2. 「古家付き土地」なら、先に解体費を出さずに済む
  2. 売るまでの流れを、5つに分けて整理する
    1. まず確認するのは、遺言書と名義
    2. 査定を受けて、相場の見当をつける
    3. 売り方を決めて、媒介契約を結ぶ
    4. 契約から引き渡しまでに決めておくこと
    5. 利益が出た場合は、翌年に確定申告
  3. よくある3つのつまずき
    1. 相談より先に、工事を発注してしまう
    2. 雨漏りやシロアリを黙ってしまう
    3. 地元を知らない会社だけに任せてしまう
  4. 買い手が見つからないときの手立て
    1. 不動産会社に直接買い取ってもらう
    2. 大阪市の解体補助が使えないか確認する
  5. 先延ばしにするほど、選べる道は減っていく
    1. 傷みが進むと、その分を見込まれる
    2. まずは、今いくらなのかを知る
  6. まとめ:「どうしよう」で止まっている時間が一番もったいない

「こんな家、売れますか」と聞かれたときに答えていること

古い実家は、手を加えないまま売りに出せます。老朽化した住宅では、リフォーム代をかけても価格に十分反映されない場合があるためです。大阪市内の取引でも、購入後に買主のほうで解体や改修をする前提で話が進む場面は珍しくありません。

買主が見ているのは、建物の古さより土地の条件

築40年でも50年でも、土地としての評価は残ります。築年数が古くても、駅からの距離や接道状況、土地の形、建て替えができるかどうかによって評価は大きく変わるためです。

価格を左右するのは、主にこのあたりです。

  • 駅からの距離と、周りにどんな施設があるか
  • 敷地の広さ、形、間口の広さ
  • 前面道路の幅と、どれだけ接しているか
  • 建て替えができるかどうか

つまり、老朽化した住宅では、築年数だけでなく土地の条件が価格を大きく左右するということになります。「築年数を言うのが恥ずかしくて」と前置きされる方がいらっしゃいますが、こちらが先に見ているのは別のところです。

✓ポイント:査定の前から「古いから安いはず」と決めつけないでください。同じ築年数でも、道路付けや敷地の形で評価は分かれます。まずは土地としての条件を確認するところからになります。

「古家付き土地」なら、先に解体費を出さずに済む

建物を残したまま「古家付き土地」として売り出す方法があります。解体費を先に払わずに済み、更地にした場合の税負担の増加も避けられます。

更地との違いを並べると、次のとおりです。

項目 古家付き土地 更地
売主の初期費用 抑えられる 解体費が先に発生
固定資産税・都市計画税 原則として住宅用地の特例が適用される 特例から外れる場合がある
買主の受け取り方 解体費を意識される 土地の形が分かりやすい

土地の税金は、毎年1月1日時点の状況で決まります。その日に住宅用地として認定されていれば、原則として税金を抑える特例が使えます。解体して更地になると、この特例から外れて負担が増える場合があります。なお、建物が残っていても、管理されていない状態が続いて市から勧告を受けたようなケースでは、特例から外れることがあります。

✓ポイント:解体したほうがいいかどうかは、どんな買主を想定するかで変わります。売り出す前に「この物件は古家付きと更地のどちらが動きやすいか」を不動産会社に聞いておくと、不要な解体費や工事費を先に負担するリスクを抑えられます。

出典:住宅用地の課税標準の特例措置|大阪市

売るまでの流れを、5つに分けて整理する

売却は、権利関係を整えるところから順に進みます。売却による名義変更の前に、亡くなった方から相続人への名義変更を済ませておく必要があるためです。全体を5つに区切って見ていきます。

まず確認するのは、遺言書と名義

最初に確認するのは遺言書の有無です。遺言で取得者が決まっていない場合は、相続人同士で話し合い、誰が実家を引き継ぐかを決めます。そのうえで、相続登記という名義変更の手続きに進みます。

この相続登記は、2024年4月から義務になりました。原則として、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に申請する必要があります。2024年4月より前に発生した相続も対象で、名義がそのままなら原則として2027年3月31日までの対応が求められます。ご自身で申請することもできますが、難しい場合は司法書士などの専門家へ相談できます。当社でも、必要に応じて司法書士と連携しながら進めています。

出典:相続登記の申請義務化について|法務省

出典:相続登記・遺贈の登記の申請をされる相続人の方へ(登記手続ハンドブック)|法務局

査定を受けて、相場の見当をつける

名義の確認と並行して、査定を受けます。古い家は評価の考え方が会社ごとに違うため、必要に応じて複数社を比べるのも一つの方法です。

このとき、金額だけを見ないでください。近隣でいくらで売れているのか、土地の単価をどう見たのか。根拠を説明できるかどうかが、その会社の見方を表します。

売り方を決めて、媒介契約を結ぶ

仲介を依頼する場合は媒介契約を結びます。専属専任・専任・一般の3種類があり、他社に同時に頼めるかどうかなどが変わります。

古い家は買主の層が限られるため、どこに情報を出すのか、投資家や事業者に紹介するルートがあるのかを聞いてみてください。「とりあえず載せておきます」で終わる会社と、そうでない会社の差は、ここに出ます。

契約から引き渡しまでに決めておくこと

買主が決まったら条件を調整し、売買契約を結びます。決めておきたいのは、引き渡しの時期、残っている家財を誰が処分するのか、建物の不具合についてどこまで責任を負うのかの3点です。

決済の日に残代金を受け取り、名義を移して、鍵と書類を渡せば終わりになります。

利益が出た場合は、翌年に確定申告

売って利益が出た場合や、税金の特例を使う場合は、翌年に確定申告をします。

相続した空き家を売るときには、条件を満たせば税金が軽くなる特例があります。ただし建てられた時期、相続の後にどう使っていたか、いつまでにいくらで売るかなど、複数の要件があります。古い空き家なら使える制度ではないという前提で確認してください。

✓ポイント:売却後の対応で要件を満たせるケースもありますが、契約の条件次第で適用できるかどうかが変わります。売る前の段階で税理士や税務署に確認しておくほうが安心です。

出典:No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例|国税庁

よくある3つのつまずき

損を避ける方法は、それほど多くありません。余計なことをしない、隠さない、地元を知っている会社に相談する。ほぼこの3つです。裏を返せば、つまずき方も決まっています。

相談より先に、工事を発注してしまう

「このままでは売れない」と考えて、先にリフォームや解体を頼んでしまう。これが一番もったいないパターンです。買主が解体するつもりなら、リフォーム代は戻ってきません。

解体も同じで、タイミングによっては翌年の土地の税金が上がります。ただし、相続した空き家の税金の特例は、条件を満たせば解体後の土地の売却も対象になります。つまり、解体が得か損かは物件ごとに違うわけです。工事の前に、売り方と税金の両方を確認してください。

雨漏りやシロアリを黙ってしまう

建物の不具合は、隠さず伝えたほうが結果的に売主を守ります。引き渡した後に見つかれば、修理費の請求や契約の解除につながる可能性があるためです。

伝えておきたいのは、次のような点になります。

  • 雨漏り、天井のシミ、屋根や外壁の割れ
  • シロアリの被害と、駆除したかどうか
  • 水回りの詰まりや漏れ、設備の故障
  • 増築や改築をしているか

古い家では、あらかじめ不具合を織り込んで、建物の責任を負わない取り決めをする場合もあります。ただし、知っていた不具合を伝えなかった場合は、その取り決めがあっても責任を免れないことがあります。分かっていることは、書面で具体的に伝えてください。

地元を知らない会社だけに任せてしまう

大阪市内は、区どころか町単位で相場も買主層も変わります。生野区や東成区のように狭い道路に面した木造住宅が多い地域では、建て替えができるかどうかが価格に直結します。

会社の規模だけで判断するのではなく、その地域で古い家や建て替えの難しい物件を実際に扱った経験があるかを確認してみてください。

✓ポイント:会社を選ぶときは、「大阪市内での成約実績」と「古い家を扱った経験」を分けて聞いてみてください。相続人が複数いる、境界がはっきりしていないといった事情があるなら、士業と連携できるかどうかも確認しておきたいところです。

買い手が見つからないときの手立て

売り出しても反応が薄いときは、売り方そのものを変える手があります。買主を待つ以外に、直接買い取ってもらう方法や、公的な制度を使って条件を整える方法があるためです。

不動産会社に直接買い取ってもらう

不動産会社が買主になるため、買主を探す期間を省けます。建て替えができない土地や、傷みの激しい建物でも引き取ってもらえる場合があります。

比較項目 仲介 直接買取
買主 一般の個人・法人 不動産会社
期間 買主が見つかるまで 短期間で進む場合もある
価格 市場価格が基準 市場価格より低くなる傾向
引き渡し 修繕を求められることがある 現況のまま進めやすい

価格は下がる傾向にあります。ただ、売れないまま税金と管理の手間を払い続ける状況と比べれば、総額では変わらないこともあります。

大阪市の解体補助が使えないか確認する

大阪市には、密集した市街地の防災性を高める目的で、古い木造住宅の解体費用の一部を補助する制度があります。狭い道路に面した家を解体する場合の制度や、跡地を防災用の空き地として整備する場合の制度などがあり、生野区の一部地域も対象に含まれます。

ただし対象は市内全域ではなく、区域、建てられた時期、道路の幅などの条件が制度ごとに決まっていて、年度によって内容も変わります。注意したいのは相談のタイミングです。原則として、解体工事を契約する前に市へ相談・申請する必要があります。まずは対象になるかどうかの確認からになります。

✓ポイント:補助制度があるからといって、解体ありきで考えないでください。古家付きのまま売ったほうが有利なケースもあります。制度を使えるかどうかと、どう売るかは、切り分けて検討する話になります。

出典:密集住宅市街地の整備と補助金制度について|大阪市

先延ばしにするほど、選べる道は減っていく

相続した実家は、早く動くほど手が打てます。使われない家は傷みが進み、迷っているあいだも維持費はかかり続けるためです。

傷みが進むと、その分を見込まれる

人が住まなくなった家は、換気が止まって湿気がこもり、傷みが早く進みます。状態が悪くなれば、買主から修繕費や解体費を見込まれ、条件が不利になる可能性があります。

放置することで生じる負担は、こういったものです。

  • 毎年の固定資産税・都市計画税
  • 草木の手入れや換気のために通う時間と交通費
  • 傷んだ部分が原因で近隣に被害を与えた場合の責任
  • 管理されていない状態が続いた場合、税金の特例から外れる可能性

危ない状態のまま放置された家は、市から指導や勧告を受けることがあります。勧告を受けると、その土地は税金を抑える特例から外れます。「そのうち考える」が、一番高くつく選択になりかねません。

まずは、今いくらなのかを知る

最初の一歩は、今の価値を知ることです。金額が分からないままでは、売るのか、貸すのか、当面持っておくのかを決められません。

査定を受けたからといって、売ると決めたことにはなりません。判断の材料をひとつ手に入れる段階と考えれば、気は楽になります。

✓ポイント:相続人が複数いる場合、査定価格を共有しておくと話し合いが進めやすくなります。ただし査定価格は成約を保証する数字ではなく、相続税の評価額とも別物です。あくまで目安として扱いながら、認識のずれが広がる前に話を始めてください。

まとめ:「どうしよう」で止まっている時間が一番もったいない

相続した大阪市の実家が古くても、リフォームや解体をせずに売れる可能性は残っています。買主が土地として見ているケースが多く、古家付き土地という売り方があるためです。

名義を整え、査定で相場を知り、税金の条件を確認してから工事の要否を決める。この順番を守るだけで、避けられる損は少なくありません。

株式会社町屋くらぶは、行政書士が代表を務める大阪市生野区の不動産会社です。古い家や相続の絡んだ売却に対応してきました。査定は無料、必要に応じて司法書士や税理士とも連携します。何から手をつければいいか分からない段階で構いません。まずは「実家が空いたままなんですが」の一言からお聞かせください。

監修者情報

髙田 登茂

髙田 登茂

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地元・大阪で長く活動してまいりました。主に行政書士として生活保護申請のサポートをさせていただくなかで、不動産に関するお悩みを抱えている方が多いことを知り、現在は不動産売却・買取・賃貸経営のお手伝いをさせていただいております。

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